ハリ結び強度テスト

バイスに結びを行ったハリを挟みます。

ペンチで違う結びを行ったハリをつかみます。

引っ張ります。

どちらかが切れたり、すっぽ抜けたり、ほどけたりするまで引っ張ります。

 

原則として引っ張りテストは3回行います。

この時バイス側をV、ペンチ側をPと表記します。

ラインはフロロカーボンの5号。

巻数は6回。

ハリは丸セイゴ15号です。

勝った方は○、負けた方は×と表記します。



5.内掛け結び VS 1.外掛け結び
結び   勝負 ---  勝負   結び   結果
1 内掛け結び ×   外掛け結び   すっぽ抜け
2 内掛け結び ×   外掛け結び

 

切断

3 内掛け結び ×   外掛け結び

 

切断

解説

外掛け結びはラインが引っ張られると巻き付け部分が締めつけられます。従って摩擦力が増します。

内掛け結びも締めつけられますが外掛けに比べ力の伝わりが遠く、尚且つ伝わりづらい。従って摩擦力は増すこともわずかで、結んだ時と余り変わりません。

このことから内掛け結びはラインが引っ張られると、すべり、すっぽ抜けやタタキ部分にすれて切断に至ります。

結果

内掛け結び VS 外掛け結び = 0.8 : 1.0

 


5.内掛け結び VS 6.徹釣内掛け結び
結び   勝負 ---  勝負   結び   結果
1 内掛け結び ×   徹釣内掛け結び   切断
2 内掛け結び ×   徹釣内掛け結び

 

切断

3 内掛け結び ×   徹釣内掛け結び

 

切断

解説

内掛け結びのラインが引っ張られた時、タタキにすれて切断しているようです。

結果

内掛け結び VS 徹釣内掛け結び = 0.8:1.0

 


1.外掛け結び VS 6.徹釣内掛け結び
結び   勝負 ---  勝負   結び   結果
1 外掛け結び ×   徹釣内掛け結び   切断
2 外掛け結び   ×  徹釣内掛け結び

 

切断

3 外掛け結び ×   徹釣内掛け結び

 

切断

4 外掛け結び ×   徹釣内掛け結び

 

切断

解説

外掛け結びと徹釣内掛け結び共に、ラインが切断する時はラインの本線が巻きつけに入るところ、つまり本線と余り糸が交差するところで切れています。

徹釣内掛け結びが少し強い点は内掛け結びの良い点が加わっているからと思われる。

つまり本線と余り糸が一箇所で交差しない点で力が一点に集中しない点です。

結果

外掛け結び VS 徹釣内掛け結び = 1.0:1.1

 


1.外掛け結び VS 2.徹釣外掛け結び
結び   勝負 ---  勝負   結び   結果
1 外掛け結び   × 徹釣外掛け結び   切断
2 外掛け結び ×   (枕付き結び)

 

切断

3 外掛け結び ×   (枕付き結び)

 

切断

4 外掛け結び   × (枕付き結び)

 

切断

解説

外掛け結びと徹釣外掛け結び共に、ラインが切断する時はラインの本線が巻きつけに入るところ、つまり本線と余り糸が交差するところで切れています。

強度の差は感じられ無かったのですが、太糸や硬い糸の場合の結び易さの差はあると思います。

結果

外掛け結び VS 徹釣外掛け結び = 1.0:1.0

 


11.本結び VS 1.外掛け結び
結び   勝負 ---  勝負   結び   結果
1 本結び   × 外掛け結び   切断
2 本結び   × 外掛け結び

 

切断

3 本結び   × 外掛け結び

 

切断

解説

外掛け結びのラインが切断する時はラインの本線が巻きつけに入るところ、つまり本線と余り糸が交差するところで切れています。

本結びの場合は、本線と余り糸が一点で交差していないので強い。

そして外掛け結びと同じ様に本線に力が加わると巻き込みが締まり摩擦力が増します。

 

結果

本結び VS 外掛け結び = 1.2:1.0

 


12.フィンガーノット VS 11.本結び

結び   勝負 ---  勝負   結び   結果
1 フィンガーノット ×   本結び   切断
2 フィンガーノット ×   本結び

 

切断

3 フィンガーノット ×   本結び

 

切断

解説

フィンガーノットで本線が巻き始めて折り返しのクロス部分で切断しています。

 

結果

フィンガーノット VS 本結び = 0.8:1.0

 


13.漁師結び VS 1.外掛け結び
結び   勝負 ---  勝負   結び   結果
1 漁師結び   × 外掛け結び   切断
2

漁師結び

  × 外掛け結び

 

切断

3 漁師結び   × 外掛け結び

 

切断

解説

外掛け結びのラインが切断する時はラインの本線が巻きつけに入るところ、つまり本線と余り糸が交差するところで切れています。

 

ただ、漁師結びは巻き数が少ないので緩みやすいと思う。

釣り始めに巻くか、締めなおす必要があると思う。

 

結果

漁師結び VS 外掛け結び = 1.2:1.0

 


13.漁師結び VS 11.本結び

結び   勝負 ---  勝負   結び   結果
1 漁師結び ×   本結び   切断
2 漁師結び ×   本結び

 

切断

3 漁師結び ×   本結び

 

切断

解説

漁師結びの本線が巻きに入るところと余り糸と交差するところで切断しています。

結果

漁師結び VS 本結び = 1.0:1.2

 


14.南方延縄結び VS 1.外掛け結び
結び   勝負 ---  勝負   結び   結果
1 南方延縄結び   × 外掛け結び   切断
2

南方延縄結び

  × 外掛け結び

 

切断

3 南方延縄結び   × 外掛け結び

 

切断

解説

外掛け結びのラインが切断する時はラインの本線が巻きつけに入るところ、つまり本線と余り糸が交差するところで切れています。

結果

南方延縄結び VS 外掛け結び = 1.2:1.0

 


14.南方延縄結び VS 11.本結び
結び   勝負 ---  勝負   結び   結果
1 南方延縄結び   × 本結び   切断
2 南方延縄結び ○    ×  本結び

 

切断

3 南方延縄結び ×   本結び

 

切断

4 南方延縄結び ×   本結び 

 

切断

5 南方延縄結び

  × 本結び

 

切断

6 南方延縄結び   × 本結び

 

切断 

解説

どちらも同じ様な強度であると感じた。

但し結びの安定度からすると南方延縄結びの方が少しだけ強いかな。

 

結果

南方延縄結び VS 本結び = 1.1:1.0

 



考察

今までの強度テストの結果で、内掛け結びが面倒な結びの割りに意外と弱いことが分かりました。

反対に漁師結びが簡単な結びの割りに強いことが分かりました。

ただ漁師結びは巻き数が少ない分、ほどけやすい気がします。

従って漁師結びは現場でハリスのすっぽ抜けや、ハリス切れでハリスが短くなった時に応急処置的に結ぶのに余り糸を必要とせず結びも簡単なので強度もある結びとして使えると思います。

 

一番強い結びは本結びでした。

しかしこの結びは安定して綺麗に結ぶのは難しく、巻き直しをすると歩留まりが悪くなり、余り糸も多くを必要とするので不経済な結びです。

その点、南方延縄結びは結びが安定しているので総合的に本結びより少し強いと思われます。

余り糸も多くを必要としないので経済的な結びです。

只、小さいハリでは結びづらいのが難点です。

 

外掛け結びは結び易いのですが、本線と余り糸が一箇所で交差しているので緩みやすく、本線に力が加わった時に一箇所に力が集中するので切れやすい。

瞬間接着剤やノットガードを使えば、緩みは押さえられますが、外掛け結びの利点である本線に力が加わった時に巻きが締まる力が抑えられてしまいます。

従ってしっかりと締めこんでからノットガードなりをつけることが肝腎です。

 

 

検討課題

最強で比較的結びやすい結びを探すことにします。

本結びを基本としますが、本結びは不経済な結びなので経済的な結びを探し出すことにします。



結論

2012年5月12日

今日現在においての最強の結びを考えました。

それを徹釣本結びと名付けました。

余り糸も必要とせず割と結びも安定し、割と結びやすいです。

只よれ易いところがありますが、フロロカーボンやハリのあるナイロン糸、太糸では注意すれば問題ありません。

 


17.徹釣本結び VS 11.本結び

結び   勝負 ---  勝負   結び   結果
1 徹釣本結び   × 本結び   切断
2 徹釣本結び ○    ×  本結び

 

切断

3 徹釣本結び ○    ×  本結び

 

切断

解説

本結びの巻きはじめの所でラインが交差するので、本線に力が加わった時に交差部分で切断している。

徹釣本結びはチモト側が巻き始めなので強いのだと思われる。

 

結果

徹釣本結び VS 本結び = 1.2:1.0

 

 


17.徹釣本結び VS 14.南方延縄結び

結び   勝負 ---  勝負   結び   結果
1 徹釣本結び   × 南方延縄結び   切断
2 徹釣本結び ○    ×  南方延縄結び

 

切断

3 徹釣本結び ○    ×  南方延縄結び

 

切断

解説

南方延縄結びは8回の巻きですが4回と4回に分断されているのに対し徹釣本結びは連続した巻きなので強いのだと思われる。

本線に力が加わった時に巻き全体に力が分散されるので強いのだと思われる。

結果

徹釣本結び VS 南方延縄結び = 1.2:1.0

 

 



総合評価

順位

結び

番号

結び名 相対強度 結び易さ ヨレ 経済性
17 徹釣本結び 1.6
14 南方延縄結び 1.4
11 本結び 1.3 ×
13 漁師結び 1.2
12 フィンガーノット 1.1 ×
徹釣内掛け結び 1.1

徹釣外掛け結び 1.05
外掛け結び 1.0
外掛け結びバージョン2 1.0
10 内掛け結び 0.8 ×

 

 

この評価の結果は徹釣個人の感覚による所が大きいので保証は致しかねます。

各個人にて追試験をお願い致します。

 


感想

結びも大事ですが、ハリ自体にスベリ止め加工が施されていればもっと簡単に強度が得られると思われる。

ノットガードや瞬間接着剤はほどほどにしてワンポイントに、緩みやすいところだけに塗った方が良い。



2015年8月21日

要望があり「外掛け結びバージョン2」の強度テストを行いました。

以前にも強度テストは行ったのですが載せていませんでした。

今回改めて「外かけ結び」「徹釣外掛け結び(枕付き外掛け結び)」

「外掛け結びバージョン2」「内かけ結び」で強度テストを行いました。

その結果は一覧表をご覧ください。

個別の強度テストは載せていません。

 

「外掛け結び」と「外掛け結びバージョン2」は強度的にはあまり差がありませんでしたが、「外掛け結びバージョン2」は巻き付けの時にしっかり巻き付けないと締め込みしづらい。

つまり緩めに巻き付けた時には結んだ後に本線と余り糸を持って引っ張り締めこんでも強く締めこめない。

従って最初に巻き付ける時からしっかりと強く巻き付ける必要がある。

ということは結び方に注意が必要で強度のばらつきが発生しやすいということになる。

 

「外掛け結び」と「徹釣外掛け結び(枕付き外掛け結び)」では何回も強度テストを行った結果、若干「徹釣外掛け結び(枕付き外掛け結び)」の方が強いと感じました。

それは枕を入れることにより結びが安定する為に強度のばらつきが少なく平均的に強度が上がり総合的に強いと言うことになります。